ぼーっと

ラママ以降、毎日気が付くと銀杏のことを考えている自分がいる。
覚え書きからは抜けている、後から思い出した言葉。
「なんか『峯田は彼女が出来たから引っ越したんだ』とか言われてよぉ。もういいわ、そんなん。あんた達に『彼女なんか居ません』ってわざわざ言うのも面倒だわ。あんた達は何を信じても良いよ。それはあんた達の自由だから。彼女が出来たってのを信じても良いし、この間出たイノマーさんとの本。あれの俺が真実だって思っても良い。今ここでこうやって喋ってる、この俺が本物だって思っても良い。でもな、本当の俺なんて誰にも解んねぇんだよ」
それはきっと峯田自身も解っていないんだろうな、と。
私達は曲を聴いて、インタビューを読んで、ライブに行って、日記を読んで、彼を理解した気になっているだけだ。
でもあの日のあの瞬間あの場所では
皆が通じ合っていたような気がするんだ。
それは幸福な妄想なのだろうけれど。